フェイスペイント・ボディペイントで使われている絵の具の種類と注意点(用途別)
練習用
パフォーマンス用メイク
油性
グリースやドーランといった、ファンデーションのようにスポンジなどで顔を全塗りする時に用いられることが多いものです。ステージでのパフォーマーのメイクなどで使用されることが多い。
固形
ステージ用メイクやトリックアートなどで使われたりするほど発色もよくグラデーションも再現しやすい。
除去に時間を要するため、撮影や作品としてのペイント活動などでのご使用を推奨致します。
不特定多数へのボディペイント(イベント)
水性
筆を用いて描いてゆきます。
肌への浸透で色素を定着させるため、事前のパッチテストを必ず行って下さい。
<イベントでのメリット>
絵画のように筆で絵を描くことができます。
<イベントでの主なリスク>
・完全には乾かないため衣服への色の付着
・汗や雨による溶け落ちと体内侵入
・色素沈着
・除去時の摩擦による皮膚トラブル
<衛生管理>
使用する水道設備の安全確認と使用許可、排水許可手続きを行ってください。
筆を洗浄した水は1名ごとに交換し、お客様ごとにきれいな水を使用すること。(保健所指導)
ラテックス製
水を使わずに衛生管理ができる指や専用ドットペン、ステンシル(抜き型)を用いて描きます。
イベントのために開発された専用画材です。
<イベントでのメリット>
・数分で乾き、さわっても色落ちしない
・発色が良い
・汗や雨でも溶け落ちない(体内への流入の心配が不要)
・本番環境でパッチテストが可能(即時除去)
・万が一の場合の即時除去性(自身の肌特性を把握していなかった場合でも)
・除去方法の説明がかんたん
・衛生管理が容易
・施設の水道設備などを汚さない
<イベントでの主なリスク>
・ゴムアレルギー/フルーツアレルギーの方は非推奨
└ただし脱蛋白タイプのものであれば短時間であれば使用可
<衛生管理>
道具についた絵の具は指やウェットティッシュで取り除いて下さい。
・水道設備の事前安全確認と排水申請が不要となります。
・筆を使用しないため洗浄の必要性がない。
・1名ごとの道具の衛生管理が担保できる。(ティッシュやウェットティッシュ)
安全な絵の具の判断基準
化粧品も含めて、肌に塗布する以上、肌に「絶対安全」はありません。
成分・製法だけでなく、用途に合わせた多角的な視点でお選びください。
イベントを運営者は、トラブルが起こった際を想定し、資材を選ぶ必要があります。
成分の安全性
・安全性証明データ(SDS)
・有害物質不使用証明書
・国内第三者機関によるパッチテスト試験データ
・国内第三者機関による刺激性テストデータ
除去性
・除去方法
・皮膚に異常が発生した場合の対応方法
特性
・耐水性
衛生管理
・道具の洗浄方法
・排水の処理方法(洗浄した水)
メーカーサポート
・国内問い合わせ窓口の有無
・道具に対する知識提供環境
・リスクに対する知識提供環境
・接客方法に対する知識提供環境
・製造物責任(PL)保険の加入
<注意喚起>
・国内のパッチテストを受けていない海外輸入製品にご注意ください。
・保湿効果などの効果効能を謳う画材は、製品自体に薬事法違反の可能性がありますので使用しないでください。
・市販の絵の具を混ぜて再販している個人・団体の報告があがってきております。
・万が一の場合を想定し、資材は管理責任を負えるメーカーのものをお使い下さい。