一般社団法人 日本フェイスペイントイベント協会(JFEA)

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フェイスペイントと美容師法

フェイスペイントのイベントは、運営の方法によって美容師法の対象になります。条文をもとに、知っておきたい基本をまとめました。

01条文を確認する

第1条(目的)

この法律は、美容師の資格を定めるとともに、美容の業務が適正に行われるように規律し、もつて公衆衛生の向上に資することを目的とする。

第2条第1項(定義)

この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。

第6条

美容師でなければ、美容を業としてはならない。

第7条

美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない。

第11条第1項(要旨)

美容所を開設しようとする者は、美容所の位置、構造設備、従業者の氏名などを、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。

出典:厚生労働省 法令等データベース「美容師法」(昭和32年法律第163号)。第6条・第7条などに違反した場合は、30万円以下の罰金の対象となります(第18条)。

02フェイスペイントが対象になる場合

顔や肌に描くフェイスペイントは、第2条の「化粧等の方法により、容姿を美しくすること」にあたる場合があります。それを「業として」行う場合は、第6条により美容師の免許が必要で、第7条により原則として美容所の中で行う必要があります。

商業施設や企業主催のイベントで来場者に描く場合、料金を取らない無料のサービスであっても、主催者や運営者が営業の目的で行っていれば「業として」行ったと判断されることがあります。

適用の目安

当協会では、対面でのフェイスペイントが次の2つにあてはまる場合、美容師法の対象になる可能性が高いと考えています。

  • 首から上への美容行為であること
  • 不特定多数の人に施術すること

「首から上」は、厚生省(当時)の通知で、美容師法の「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等」が「通常首から上の容姿を美しくするために用いられるもの」と示されていることによります。

出典:美容師法の疑義について(昭和42年2月16日 環衛第7030号)厚生労働省 法令等データベース。個別の判断は、開催地を管轄する保健所にご確認ください。

03違反のリスクが高いケース

次のような運営は注意が必要です

  • 商業施設や企業主催のイベントで、美容師免許を持たない人が来場者の顔に描く
  • 美容所の届出をしていない場所で、美容師が業として描く
  • メイク用の化粧品(リップ・ファンデーションなど)を使って描く
  • 筆や水を使うのに、一人ずつの洗浄や水の交換をしないまま複数の人に描く
  • 免許取得前の美容専門学校の学生が、業として描く

04法令に沿って運営する2つの方法

A. 美容師による運営

施術する人全員が美容師免許を持ち、美容所の届出など必要な手続きをしたうえで運営します。会場が美容所にあたらない場合の扱いは、事前に保健所へ確認が必要です。

B. 画材の体験・説明を目的とする運営

メーカーの美容部員などとして、肌用の専用画材を知ってもらうための体験と説明を目的に行う方法です。料金を受け取る場合は、商品(画材)を手渡すことが前提になります。この方法をとる場合も、運営内容を保健所に確認しておくことをおすすめします。

どちらの方法でも、一人ずつの衛生管理は欠かせません。水を使う画材なら一人ごとに道具を洗って水を替える、または水を使わない画材を選ぶことが基本です。

05運営で守るべきルール

衛生管理

施術に使う道具や画材は、一人ごとに清潔に保つ必要があります。現場でとくに問題になりやすいのが、筆を洗う水を交換しないまま次の人に描くことです。

会場(施設)

イベントの臨時ブースであっても、衛生的な環境を整えることが前提です。美容師が運営する場合(方法A)は、施術するブースを美容所として、管轄の保健所に届け出る必要があります。美容部員として運営する場合(方法B)は、使う画材に合った衛生管理を行います。

使用する画材の表示

アレルギーなどの健康リスクを防ぐため、使用する画材の原材料や注意事項を、参加者が確認できるようにしておきましょう。化粧品を使う場合は、化粧品の表示のルールに沿ったものを選びます。

料金の受け取り方

技術料(施術の対価)を受け取れるのは、美容師が運営する場合(方法A)だけです。美容師免許を持たない人が料金を受け取る場合(方法B)は、「商品代」として受け取り、その商品(画材)を参加者に手渡す必要があります。

06よくある誤解

次のような説明は、法令に沿った運営の根拠になりません

  • 「フェイスペイントは美容ではなく、芸術(アート)です」
  • 「協会の会員・認定資格を持っているので大丈夫です」
  • 「自治体から認定されたアーティストです」
  • 「美容専門学校の学生なので大丈夫です」
  • 「フェイスペイントには規制がありません」

民間の資格や認定、肩書きは、美容師免許の代わりにはなりません。このような説明を受けたときは、どの方法(AまたはB)で法令に沿って運営するのかを確認しましょう。

07違反した場合

美容師法に違反すると、30万円以下の罰金の対象になります(第18条)。保健所からの指導や、イベントの中止などの対応を求められることもあります。企業や自治体が主催するイベントでは、主催者自身のコンプライアンスの問題にもつながります。

参考:美容師法(厚生労働省 法令等データベース)/化粧品の表示に関するルール(消費者庁)

このページは、条文と一般的な考え方を整理したものです。個別のイベントが法令に沿っているかどうかの最終的な判断は、開催地を管轄する保健所にご確認ください。法的な助言が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。