01「1回◯◯◯円」は、描くことへの料金
「1回◯◯◯円」という看板は、顔に描くこと(施術)そのものに料金をつけている、という意味になります。顔など首から上に、不特定多数の人へ描くことは、美容師法の「美容」にあたる可能性があります(法令の基礎)。
当協会では、施術の対価(技術料)を受け取れるのは、美容師が、届出をした美容所で運営する場合だけと考えています。美容師免許を持たない人が料金を受け取る場合は「商品代」として受け取り、その商品(画材など)を参加者に手渡す必要があります。
呼び方を変えても、中身は同じです
- 「参加料」「体験料」「協力金」「チケット1枚」などと書いても、描くことの対価なら技術料と同じです
- 「材料費」と書いていても、参加者に何も手渡さないなら、商品代とはいえません
02美容師免許があっても、違法の可能性があるケース
「美容師が描いているから大丈夫」とは限りません。美容師法では、免許を持っていることに加えて、美容所の中で業務を行うこと(第7条)と、美容所の開設を都道府県知事(保健所)に届け出ること(第11条)が求められています。料金を受け取って顔に描くには、次の3つがそろっている必要があります。
1つでも欠けていると、「1回◯◯◯円」で描くことは美容師法違反になる可能性があります。
よくあるケース
- 美容師免許はあるが、イベントのブースを美容所として届け出ていない(美容所以外の場所での業務は、病気で美容所に来られない人や、婚礼などの儀式に出る人に直前に行う場合など、政令で定める特別な事情に限られます)
- 美容師試験には合格したが、免許の登録の申請をしていない
- 美容師はチームの1人だけで、ほかのスタッフが描いている
- 免許取得前の美容専門学校の学生が描いている
出典:厚生労働省 法令等データベース「美容師法」(第6条・第7条・第11条・第18条)。美容所以外の場所で業務ができる特別な事情は、美容師法施行令で定められています。
03無料なら大丈夫、ではありません
美容師法の「業として」は、一般に、くり返し続ける意思をもって行うことを指し、料金を取るかどうかは問わないと考えられています。看板に「無料」と書いてあっても、それだけで美容師法の対象外にはなりません。
当協会では、美容師ではない人が無料で顔に描けるのは、画材メーカーが、自社の肌用画材を知ってもらうための体験・説明(販売促進)として行う場合に限られると考えています。それ以外の目的で、不特定多数の人の顔に無料で描くことは、美容師法違反になる可能性が高いと考えています。
| 無料で顔に描く目的(美容師ではない人が描く場合) | 判断 |
|---|---|
| 画材メーカーが、自社の肌用画材の体験・説明として描くメーカーの美容部員などが、画材を知ってもらう販売促進として行う | ○ 可 |
| 商業施設や企業が、集客や来場者サービスとして描く | × 要注意 |
| ペインターが、自分の宣伝や実績づくりとして描く | × 要注意 |
| 寄付や投げ銭を受けながら描く | × 要注意 |
| 美容専門学校の学生が、練習として来場者に描く | × 要注意 |
04看板を見かけたら、確かめたいこと
主催者として出店を受け入れるとき、運営を発注するときは、次の点を確認しましょう。説明があいまいなときは、契約や出店を見送ることも検討してください。
- 描く人は全員、美容師免許を持っていますか免許証(美容師名簿への登録を示すもの)を確認できるか。
- ブースは美容所として届け出ていますかどの保健所に、どのように確認・届出をしたか。
- 料金は、何の対価ですか技術料か、商品代か。商品代なら、参加者に何を手渡すか。
- 無料なら、誰が何の目的で行いますか画材メーカーの体験・説明か、それ以外か。
- 使う画材の表示を確認できますか肌用の画材か、原材料や注意事項を参加者が見られるか。
「アートだから美容ではない」「協会の認定を持っている」といった説明は、美容師免許や美容所の届出の代わりにはなりません(法令の基礎「よくある誤解」)。発注前の確認は主催者チェックリストにもまとめています。
05美容師がいなくても楽しめる形
美容師を手配できない場合でも、腕や手の甲など首から下に描く、参加者が自分で描く(描き合う)ワークショップにするといった形なら、美容師法の「美容を業とする」ことにあたらないように運営できます。くわしくは法令の基礎「美容師法の対象外で楽しむ方法」をご覧ください。